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>> 02/20 | 02/13 | 02/06 | 01/30


今回発売される、「METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES PREMIUM PACKAGE」の同梱アイテムリストは見て頂けただろうか?
皆さんがもっとも気になっているのは「特典スペシャルディスク」に収録される「ファミコン版メタルギア('87)」ではないだろうか。

PS版で大ヒットとなった「メタルギアソリッド('98)」。そのシリーズ第一作目「メタルギア('87)」はMSX2というハードで作られた。
当時はファミコン全盛期で、MSXはファミコンに比べ決して販売台数の多いハードだったではなかったが、メタルギアのコンセプトとゲーム性は、当時の業界・ユーザーに大きな衝撃と共に好評価を獲得した。

そんなメタルギアの原点を遊べるというのは、非常に嬉しい特典だと思われるかもしれないが、メタルギアフリークにとっては、敵兵士ばりに「?」が頭上に飛び出たことだろう。
それは、「ファミコン版メタルギア」は、メタルギアシリーズにとっての禁断の果実だからだ。

プレミアムパッケージに同梱されるパンフレット「METAL GEAR MEMORANDUM」の中で小島監督が「ファミコン版の評価はどうだったのでしょう?」という質問にこう答えている。

『 良くはなかった。いや、クソゲーでしたね(笑)。
しかもその評判は僕に返ってくるんです(笑) 』

この発言に違和感がないだろうか?
メタルギアの創造主である小島監督が、自身の作品に「クソゲー」という言葉をそのまま使い、しかも、非常によそよそしいコメントをしている。
その答えは次の発言で、驚愕の真実と共に明らかになった。

今言うと驚かれるんですけど、僕は開発に一切関わってないんです

ファミコン版メタルギアが生まれた経緯はこの冊子によれば、MSX版発売後にその評判を聞きつけ、ファミコン用ソフトの開発を行っているチームが「うちにも作らせて」と移植を打診してきたのが始まりだと、小島監督は語っている。


『 それで、キャラクターやテキストなどのデータを2課に渡して、後は向こうで勝手にやっているという感じで、こっちにはどうなってるのかさっぱりわからない状況でした。
しかも結局、東京の開発チームが作ることになったのでもう全然様子がわからなくなってしまった。
(中略)
基本的には移植なんですが、何故だか大きく変更されてた箇所もありました。
スネークの潜入も水溝を通って来るのではなくパラシュート降下になっていたし、なによりメタルギアが出てこない。それに調整という点では全く別物ですね。
タイトルはメタルギアだし、見た目もなんとなくそれっぽいけど、僕にとってはもはや別モノという感じでしたね。 』

その頃は、オリジナルの原作者が尊重されていない時代で、監修という役割がなかった。
とも、小島監督はインタビューの中で答えている。

『 ボクは元々ファミコンのソフトが作りたくてこの業界に入ろうと思ったんです。
だから自分の作ったメタルギアが、人の手でファミコン版になるというのはとても複雑な心境でしたね。原作者だけどカヤの外で口が出せないという。 』

小島監督のファミコンへの想いは、雑誌・書籍などに収録されているインタビューから推し量れるだろう。

 >>参考資料
 ・太田出版「ファミリーコンピュータ 1983-1994」インタビュー
 ・東京都写真美術館 「レベルX〜テレビゲームの展示会〜」ビデオ出展映像
 ※2004年2月8日(日)まで。

ファミコンへの嫉妬と憧憬。
ファミコンに憧れてゲーム業界を目指したこと。

しかし、この「ファミコン版メタルギア」がなければその後、小島監督自身が手がけた続編「メタルギア2 ソリッドスネーク('90)」(MSX2)が生まれなかったという。

「ファミコン版メタルギア」は、海外で大ヒットをとばしその続編が(海外版のみではあるが)制作されることとなった。
しかし、小島監督がファミコン続編メタルギアの話を聞いたのは、その制作がしばらく進んだあとだった。

ある日の帰宅途中に、小島監督と一緒にMSX版メタルギアを作成し、その後ファミコンソフトの制作部署に移ったプログラマから続編の話を聞かされたという。

『 そこで彼が言ってくれたんです。「メタルギアは小島さんが作らなきゃダメですよ」って。
その後の帰り道、頭の中がメタルギア2で一杯になりましてね…。次の週にはもう会社に企画書を出して、それで「メタルギア2 ソリッドスネーク」が生まれたわけです。
(中略)
「メタルギア ソリッド」もゲームの仕掛け的にはMSX2版メタルギア2をベースにしているので、遡れば「ファミコン版メタルギア」が存在しなければ、「メタルギア ソリッド」も存在しなかった事になります。 』

ファミコンへの思いを暖め続けた小島秀夫が長き時を経て、ついにその思いを遂げることになった今作「METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES」。
ハードはゲームキューブに姿を変え、メタルギアはメタルギアソリッドへと進化したが 今もその思いは変わらないだろう。

今回初めて任天堂の、家庭用ハードに小島秀夫版メタルギアが登場する。
その記念すべきソフトに、小島秀夫は当時の思いを込めてファミコン版メタルギアを付属させたかったのかもしれない。

20世紀最高傑作、メタルギアソリッドの復活と同時に、ファミコン版メタルギアは恐らく最初で最後の復活を果たす。
是非その目とその手で時代の証人となってほしい。

長い年月を経て、
小島監督は、世界を代表するゲーム作家として。
メタルギアシリーズは、ゲーム業界を代表するビッグタイトルとして。
それぞれの原点である、任天堂ハードへ回帰した。

「METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES」

それは小島秀夫監督とメタルギアシリーズの 原点から到達点への歴史、まさに集大成である。
















思い出とは甘酸っぱく、そしてほろ苦いモノだ。
それをいい意味でも、悪い意味でも「特典スペシャルディスク」に収録される。
この「ファミコン版メタルギア」は、教えてくれることだろう。

>> 次回予告 <<
1987年…メタルギア('87)が生まれた時代。
その時の世相背景を交えて「メタルギア」が生まれた必然に迫る。