今をさかのぼること千八百年。
我々が知る実際の中国史とは別の、もうひとつの時空の幻想古代中国。
それはあまたの英雄が覇権を争う戦乱の世界であった。
そんな争いの時代に抗うかのように、義賊「深紅の武者」として孤独な戦いを続ける若者がいた。
若者の名は陸遜伯言(りくそんはくげん)。
師・諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)とともに、諸国を旅する彼は、だれよりも深く、この悲しき争いの世を憂いていた・・・。
そんなある日、陸遜は孔明とともに、江東の小覇王孫策率いる呉軍と、大陸最大の勢力を誇る魏軍との争いに遭遇する。
だれもが魏軍の勝利を疑わない中、戦場を支配したものは、呉国の君主孫策のすさまじきまでの"力"であった。
そして、その猛々しくも禍々しき"力"の波動を浴びた刹那、封印されていたはずの陸遜の記憶が呼び覚まされる!
それは、孫策の力の源が、古より陸家に伝わりし玉璽(ぎょくじ)によりもたらされたものであり、彼こそが、陸遜の父を殺害し玉璽を強奪した張本人であるという衝撃の事実であった!!
すべての争いの元凶は玉璽!
そしてその玉璽は陸家が代々守り、見定めてきたもの!
とまどう陸遜に対し、孔明は悲しき別れの言葉を投げかける。
ただ「呉に仕えよ」と・・・
陸遜にとって師・孔明は己のすべてであった・・・
この戦乱の世にあって、いまだ自らの道を見つけだせずにいる自分を包み込むかのように、常にそばにいてくれた師・孔明・・・
そんな師がいったいなぜ、父のかたきである孫策に仕えよと!?
とまどいながら呉へ向かう陸遜。
そこに己の天命、なすべき道があるというのであろうか・・・ |